HEIF形式の画像って知ってますか?
iPhoneなんかで写真撮ると、最近はこの形式が選択できるので、スマホ勢のほうが詳しいかも?
HEIF(ヒーフ)とは
High Efficiency Image Fileの略です。
拡張子は「.heic」(iOSの場合)となります。
(cはなんだろ・・・コンテナ形式だからかな)
Jpegとなにが違うのか?このあたりが気になるところだと思います。
簡単にまとめると、以下のような違いがあります。
諧調表現
Jpegが保存できる諧調は8bit。
この8bitって何?とよく聞かれます・・・これは、
「RGB(光の三原色:Red:Green:Blue)の各信号に8bit=256段階の諧調が表現できるよ」
という意味になります。
(2進数の8bit(00000000〜11111111)で数えられる数が0〜255)
RGB各信号で256段階なので、256x256x256=16,777,216色保存できる、ということになります。
1677万色ってすごい!と思いますが、これが10bit(0000000000〜1111111111)と2桁増えるとどうなるでしょうか?
RGB各信号が1024段階になります。
つまり・・・1024x1024x1024=1,073,741,824色!!!
10億色です・・・桁が違うんです。
すげぇ!ってなりますが、実は10億色表示するには、ディスプレイも10bit対応していないと表示できません。
カラーサンプリング
聞き慣れない言葉かもですが、画像を圧縮する際に色空間から間引く範囲を指定している感じです。
YUVといって、明度信号をYとしたとき、U(明度+青色成分)とV(明度+赤色成分)としてどこをどれだけ間引いていくか、という方式のことです。
たとえばロスレスであれば4:4:4になります。
Jpegは通常だと4:2:0となり、赤成分をかなり間引いているのですね。
なので、Jpegは赤の表現が弱いとされています。
(※1:ただしソフトウェアによってはJpegでも4:4:4での保存は可能です、もちろん圧縮率は下がります)
HEIFは4:2:2なのでJpegより赤色の再現性が高く、なおかつ圧縮率も高いという優れたフォーマットになります。
圧縮
Jpegは不可逆圧縮といって、画像を保存=圧縮する度に画像が劣化し、元の状態には戻せなくなります。
HEIFは可逆圧縮なので、何度保存しても劣化することはありません。
派生画像データ
回転やオーバーレイ、グリッドの情報なども保存可能です。
補助データ
アルファ平面や奥行きマップの保存も可能です。
透過処理
GIFやPNGでお馴染みの透過処理もできます。
まさに次世代画像フォーマットと言えるものになっています。
こんなに高機能なのに、Jpegより圧縮率がよく、Jpegの半分くらいのサイズになることもあります。
HEIFの機能の中で1番の注目点は「10bit」対応です。
そもそもカメラが出力するRAWデータはメーカにもよりますが、12〜14bitとさらに高諧調なんですね。
このデータからJpegとして8bit分の諧調を取り出して保存、していたんです。
そう、残りの4〜6bit分は捨てていた、といっても過言じゃないわけです。
これがもう2bit分、救えるようになるなら、写真としてすばらしいものになるのは、目に見えています。
(2bit分で色数にして10億色以上増えるのだから)
しかし、10bitで可逆圧縮で圧縮率もいい、と至れり尽くせりで。
なぜ、あまり普及していないか?となるのですが。
OSやソフトウェアの対応がまだ終わってないから、になります・・・
Macはすでに対応済みですが、Windowsはソフトウェアアップデートが必要なのかな?
ソフトウェアもLightroomですらまだ未対応ですので、使っていくのはなかなか難しいです。
それでも、あと数年でJpegを淘汰して写真の標準フォーマットになると思います。
各種ソフトウェアの対応が終わったところでスタート!って感じですかね。
iPhoneもそうですが、ソニーのαシリーズもカメラでの対応がすでにされてきています。
早くHEIF始まってくれー
ではでは。