OM-1と一緒に購入した新レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」。
新とか書きましたが、発売は2017年なので5年以上前のレンズではあります。
しかし発売当時からボケがすごい、滲むようなボケだ、などなど。
オリンパス版のボケマスターとも言える評価をされてきました。
やっと撮影できたので少しづつレビューしてみます。
サンプル1:
設定:45mm F1.2 1/200 ISO400
この写真の背景にあるススキは被写体との距離があるように見えますが、1mくらいの距離です。
普通に撮影していればF1.2ですしボケるのはわかるのですが、この距離でここまではなかなかボケないです。
フルサイズ換算、90mm F2.4ですが100mm F2.8とかよりボケてます。
霞んで消えていくような柔らかく綺麗なボケですね。
でも被写体はしっかり解像していて、カリカリな描写力です。
サンプル2:
設定:45mm F1.2 1/200 ISO400
強引に前ボケ作ってますw
レンズからも被写体からも1mくらいの距離に花を横から出して撮影してみています。
意外と綺麗にボケていてびっくりします。
それ以上に、ピントの合っている被写体の顔周りの解像感がすばらしいです。
傘の縁の後ろぼボケもほんと自然ですばらしい。
「意外と前ボケが綺麗」、というのも。
後ろボケと前ボケの質は基本的に排他設計です。
後ろボケを綺麗にしようとレンズを設計すると、前ボケは汚くなります。
逆に前ボケを綺麗にしようとすれば、後ろボケが汚なくなります。
その理由が「球面収差」補正です。
球面収差とは:
レンズの中央を通った光と、外周を通った光が同じ位置で結像できない収差のことです。
これを抑止するために、非球面レンズなどを利用したレンズ設計を行います。
球面収差を補正できると、結像が正常になりピントが合った写真が撮影できるようになるのですが、その補正具合で前後のボケの質が変わってしまうのです。
補正の具合で3パターンあります。
・アンダーコレクション
補正が弱い場合、アンダーコレクションとなり、ピント面も柔らかくなりがちです。
しかし、それに合わせて後ろボケも柔らかく、綺麗なものになります。
ただし前ボケは荒れてしまいます。
・フルコレクション
フルコレクションはピント面の補正を完璧にした場合です。
この場合、前後のボケの質が同じくらいになりますが、印象的なボケ味にはなりにくいです。
・オーバーコレクション
そして補正をフルコレクションより強くかけることをオーバーコレクションといいます。
ピント面の解像性能はフルコレクションを超えるほどになりますが、後ろボケの外周にエッジが立ちやすく、2線ボケなどが生まれやすくなります。
ただし前ボケは綺麗に見えることが多いです。
前回レビューしたKamlan 50mm F1.1はオーバーコレクションな補正がかかっていると思います。
レンズ性能が低いので、解像させるために球面収差の補正を強く入れていて、その結果、安いレンズで解像するのですが後ろボケが汚くなっています。
で、今回のM.ZUIKO 45mm F1.2 PROですが。
後ろボケが綺麗で、前ボケも汚くなることもなく綺麗で安定しています。
それでいてピント面はめちゃくちゃ解像しています。
・・・どうなってんのこれ?w
アンダーコレクション気味のフルコレクション、みたいな設計思想なんだと思います。
とはいえ前ボケも綺麗なので、ほんとどうやって作ってるんだろ・・・
今まで触ってきたレンズにはないボケ味です。
これはちょっと面白いぞ。
もっといろいろ試していきたいです。
次回は屋外で光源の丸ボケなどがどうなるか、逆光耐性、など試してみます。
ではでは。
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